Destination Detail

ミャンマーにはヤンゴン、バガン、マンダレー、インレー湖の4つの主要な観光地がありますが、それらはミャンマーのごく一部の地域に過ぎません。広大な国土の中には、まだあまり知られていない、魅力あふれる地域が数多く存在しています。ここでは、さらに踏み込んだミャンマーの奥深い世界へとご案内します。

ミャンマーの中部、マンダレーは東は中国、西はインドへと続く交通の要衝です。大都市マンダレーを離れ、辺境へと向かうとさらに魅力的な町と出会うことができます。ピンウールィンの東へと鉄道で向かうと、世界で2番目の高さを誇るゴッテイ鉄橋を通過します。深く刻まれた峡谷に架かるこの鉄橋は、英国植民地時代に築かれ、すでに築100年を超えています。
東へ進むと、かつてシャン族の藩王が統治した町ティーボーがあります。小さくのどかな町には今でも藩王の館が残っています。町の郊外には代表的なシャン様式のパゴダ、ボーヂョー・パヤーがあります。シャン族の村を訪ねたり、豊かな自然に触れるトレッキングも楽しめます。
さらに先へ向かうと、ミャンマー北東の都市ラーショーへと通じます。中国国境も近いこの町は、ミャンマーと中国をはじめ、さまざまな文化が入り混じっています。町には大きな屋台街があり、シャンや中華など多彩な料理を手軽に堪能できます。
一方、マンダレーから西へ進むとチンドウィン川に面する、インドとの交易の町モンユワがあります。町の郊外には、多くの洞窟寺院を擁するポーウィン山やシュエ・バ・タウン、外観を埋め尽くす尖塔と内部の無数の仏像が圧倒的な存在感を放つタウンボッデー寺院、世界で2番目の高さといわれる巨大な立像のレーチョン・サチャー・ムニなどがあり、1つの観光拠点とも言えます。

ミャンマー東部のシャン州のさらに東に位置する国境地帯は、かつて「黄金の三角地帯」と呼ばれたケシの世界的な産地でした。この美しく緑あふれる地域には、今でも多彩な民族が独自の伝統を守って暮らしています。さまざまな民族が集まるチャイントォンの市場では、華やかな衣装を身にまとった少数民族の姿が見られます。また、チャイントォンを起点としたトレッキングで彼らの村を訪ねることもできます。
国境の町タチレイは、隣国タイとの間にたくさんの人が行き来する賑やかな町です。町にある一本の川の上に架かる橋が国境になり、タイ最北の町メーサーイへと至ります。

シャン州の南に位置するカヤー州は、近年、外国人に開放されたことで、ひときわ注目を浴びるようになった地域です。ミャンマー国内の州の中で最小の面積でありながら、さまざまな少数民族が住むことで知られています。州都ロイコーは、二つに分かれた岩山の上に築かれた寺院タウングウェ・ゼディが静かな町を見下ろします。山々が近い周辺の村には、金属の輪を首に巻き付けたパダウン族をはじめ、独自の文化や習慣を持つ民族が暮らしています。

ミャンマーの南部も特色が豊かな地域です。アジアハイウェイ1号線上に位置するカイン州の州都パアンは、町の中心に湖がある緑豊かな美しい町です。聖山ヅウェカビンに代表される岩山が忽然と現れる雄大な風景はまさに圧巻です。周辺には洞窟がいくつもあり、他にはない神秘的な雰囲気を醸し出しています。
モン州の州都モウラミャインは、タンルィン川に面した比較的規模の大きな町です。モウラミャインから南へ向かうと、圧倒されるほど巨大な寝釈迦像のウィンセントーヤ、海に面した大きな寺院があるチャイッカミ、泰緬鉄道のビルマ側の起点となった町タンビュッザヤなどにも足を延ばせます。
モン州を南へ進み、山々の連なる道を走り抜けると、ミャンマーの最南端タニンダーリ地方に入ります。美しいアンダマン海に面するこの地域は、東をタイと接し、新たな東西交易の重要な拠点として注目されています。その中心となっている町ダウェイは海が近く、周辺にはいくつものビーチがあります。ミャンマーの人々にとっては、多くの仏跡がある巡礼の地としても馴染みがあります。ダウェイを玄関口としてさらに南へと足を延ばすこともできます。

ミャンマーにはまだまだ多くの町があり、その魅力は一度では味わい尽せないほど存在します。他の国にはない出会い、人と自然とが共存するミャンマーの原風景。すでにミャンマーを訪れた方にも、深く心に残る貴重な旅の体験をもたらしてくれます。